青色申告と freee の導入

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諸君、税金の季節である。

自営業各位におかれてはたまりにたまった領収書や取引の記録、銀行の通帳を前にゲンナリしていることと推察する。私も毎年この時期になると「どうして毎月こまめに帳簿をつけておかなかったのか」と自分を恨むのが常であった。人間とは学習しない動物である。そんな人間の性に思いを馳せながら、幾度2月の空を仰いだことか。だが、今年は違う。クラウド会計のfreeeを導入したからである。


こういうツールは、使い方を覚えるのが面倒で手を出してこなかった。ただでさえ、青色申告や確定申告の書類の作成は面倒なのである。そのうえ、新しいツールなど導入した日には、会計のことにかかりっきりになってしまう。それだけは避けたい。そう考えていた。

それでもずいぶん評判が良く、利用者数が伸びているようだし、無料で試用もできる。ちょっとのぞいて触ってみて、面倒ならやめればいいか、ということでアカウントを作成したのが先週くらい。

現在、私の書類作成はほぼ完了している。諸君、繰り返す。私の書類作成はほぼ完了している。

freeeの良いところは、銀行口座やクレジットカード、アマゾンなどのアカウントを登録すれば、取引の明細を自動的に取得してくれ、その明細をポチポチ分類していくことで記帳が終わるところである。

私の場合、取引先は10社ほどだが、売り上げはすべてメインの銀行口座に入金される。これまでは取引の記録と口座の明細を照合しながら、1件ずつ手入力していたのだが、freeeでは入出金の記録を取得済みなので、取引先からの入金に対して取引の内容を記録していけば良い。freeeのヘルプの源泉徴収の対象となる収入取引を登録するにある「売掛金を計上していなかった場合」が参考になる。1 源泉所得税控除やこちらが負担した振込手数料もここで登録できる。

この作業を手でやっていると、必ず帳尻が合わなくなり、何度も書類を引っ張りだすことになるのだが、freeeは計算におかしなところがあるとすぐに教えてくれるので間違いが生じない。

経費についても同様である。翻訳者の経費は、資料として購入する書籍、商売道具のパソコンや周辺機器、通信費くらいのもので、仕入れなどがないので元々とてもシンプルなのだが、私は仕事で使うものをほぼすべて楽天カードで購入しており(ポイント目当て)、それらの記録もfreeeが取得してくれる。一覧表示されるので、経費として計上すべきものに対して適宜項目を選べば経費の記帳も完了である(現金で購入したものは手入力する必要があるが、数が知れているのでたいした手間にはならない)。

ちょっと不便だな、と思ったのは、確定申告書類の作成で「所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額(44)」が自動入力されなかったところである。売り上げの登録時に源泉所得税控除も記録しているので、これを集計して自動入力して欲しかった。また、銀行の記録にしてもカードの記録にしても、プライベートな記録が数多く含まれるので、これをまとめて「プライベート」に分類する機能があるとうれしい。現状は1件ずつクリックしていく必要があり、手がすごく疲れた。

以上、細かい不満はあるものの、これまでエクセルでポチポチやっていたこと考えると圧倒的な効率の高さであり、個人的には導入して良かったと思っている。そろそろ始めないといけないなあ、と書類を前にため息をついているのであればぜひ導入を検討されたい

  1. この手法は、いわゆる現金主義の記帳になり「望ましくない」そうだが、こちらとしては手間がかからないことが何より「望ましい」ので私は現金主義でいこうと思う。 []

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