兆をめぐる冒険

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中国語を学んでずいぶんになるが、知らないことというのはたくさんあるもので、ときどき自分の無知っぷりにうんざりすることがある。先日、諸先輩方からいろいろお話しを伺う機会があったのだが、「日本語の『兆』は、中国語に翻訳するなら『万亿』にせんとあかん」ということを教えていただいた。私はふだん中国語から日本語への翻訳ばかりしているので「万亿→兆」の変換には慣れているが、その逆は考えたことがなかった。兆や京のように大きな数字を扱うことが少ないとはいえ、今日まで大きな問題を起こすことなく来られたことに心密かに感謝し、その次の瞬間には自分の不明を恥じて耳まで真っ赤になった。

ちなみに兆(1012)の万倍である京(1016)は、億の億倍なので中国語では「亿亿」となるそうだが、一般的な辞書には収載されていないようだ。

なお、中国での「兆」は100万(106、1000000)を指し、英語の「メガ(mega)」に相当する。よく見かけるのは「兆瓦(メガワット)」などのかたちである。で、ここからがややこしいのだが、台湾と中国では「兆」の扱いが異なる。台湾の兆は日本と同じく1012(1000000000000)を指し、英語の「テラ(Tera)」に相当する。そうなると台湾では「兆瓦=テラワット」ということになるが、検索したかぎり台湾の資料でも「兆瓦=メガワット」になっているものが散見した。うーむ。兆や兆や汝を如何せん。

學術名詞資訊網兆赫を検索するとテラヘルツになっているが、教育部重編國語辭典で検索すると每一秒能完成一百萬個周波,稱為「兆赫」と書いてある。節子、それテラやないメガヘルツや。兆のことは億的萬倍と書いてあるんだけどなあ。當代漢英詞典では「兆周」が megacycle になっている。私はどうすれば良いのであろうか。两岸科技名词对照で兆を検索したらさらに混乱に拍車がかかった。兆をめぐる冒険はもう少し続きそうである。

関連:兆 – Wikipedia

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