仕事椅子 – スピーナチェア

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仕事用の椅子を新調することにした。4年前に購入したイトーキのKC2Hは、リクライニングの具合やヘッドレストの心地よさが気に入っていた一方、革張りなので夏場は背中が蒸れて不快だった。私は自宅で机の前に座り、1日中コリコリと翻訳をして日銭を稼いでいるので、仕事時間イコール椅子に座っている時間である。なんとなく不快だなと思いながら仕事をするのは精神衛生上よろしくない。まったくもってよろしくない。

ということで、いそいそと買い換え候補をリストアップした。私が椅子に求める条件は次の通りである。

  1. ヘッドレストがあること
  2. 背中の通気性が確保されていること
  3. 肘掛けの高さや向きを調整できること
  4. 実売価格が7~8万円であること

条件に当てはまる椅子はいくつか見つかったが、なんだかんだ言っても椅子は座り心地である。第1候補のバロン(岡村製作所)は、某家具屋で座ってみたが、なんだかしっくりこなかった。仕事椅子で昼寝をすることが多い私にとって、あの大きなヘッドレストは魅力的だったのだが残念である。同じ岡村のコンテッサは予算的にちょっと無理なので試さなかった。アガタ/A(コクヨ)もかっこういいなとは思ったが予算オーバーで却下。

そして残ったのがイトーキのレビーノである。細かいところまで調整できるのが魅力的だし、ヘッドレストが付いているモデルでも予算内で購入できるWebショップがいくつかあった。ネット上での評判も上々である。もうほとんどこの椅子を買う方向で脳内会議がまとまりかけたが、築地にイトーキのショールームがあるので座ってみてから結論を出すことにした。洞爺湖サミットで使われたスピーナのこともちょっと気になっていたので一度に試せてちょうど良い。本当は年が明けて落ち着いてからショールームに行くつもりだったのだが、この年末から来年の2月にかけて改装のために閉館するようなので、昨日あわてて予約を入れてでかけてきた次第である。

椅子はショールームの2階に展示されていて、係の人がひと通り機能を説明してくれる。べったりひっついて延々とセールストークをされるわけではなく、「じゃあ、あとはお好きなように座り比べて見てください」と放置してくれる。親切である。で肝心の椅子だが、レビーノに座って「ほうほう」と快適さに感心した後、クロス張りのスピーナに座って「ちょっと腰の密着感が強いな」という感想を抱き、「やっぱりレビーノかな」としばらくレビーノをあちこちいじり回してみたのだが、試しに背中部分がリブ状のエラストマでできているスピーナに座ったら、あんまり快適なのでびっくりした。クロス張りのモデルでは腰の密着感が強いと思ったが、エラストマは縦リブ状なので背中や腰が密着せず、適度な開放感がある。後ろにぐっと倒したときも、スピーナの方が背中部分が大きく、肩までしっかりカバーしてくれるので安心感がある。ヘッドレストに関してはレビーノの方が具合が良いが、ここは我慢しよう。あんまり快適で仕事用の椅子でぐうぐう寝ても困る。

B0019GXSCG ITOKI Spina(スピーナチェア)エクストラハイバック 背エラストマー 767T1(ADJ肘付) SG/スモークグレー
イトーキ

by G-Tools

こんな具合でショールームで試した結果、私の心はスピーナにとらえられてしまった。帰りの電車の中で「あーでも予算的にどうなんだ」と眉間にしわが寄ったが、ふと車内に目をやると3人掛けのシートに作家の安部譲二氏が座っていた。なんとなく「わあ」とうれしくなって、眉間のしわはひとまず解除することにした。よく分からないと思うが、私にもよく分からない心の動きなので許して欲しい。

帰宅後、あちこち検索したところ、予算プラス1万円程度で新品が購入できることが判明した。直後に仕事の依頼が入ったので、その売り上げを購入資金に充てる決意をかため、私は購入手続きを進めた。スピーナは国内工場で受注生産しているのでうちに届くまで4週間かかる。年末年始をまたぐので実際にはもう少しかかるかもしれない。まあでもこういうのを待つのは結構楽しい。

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