ラーメン日記 渋英

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今月からジムに通い始めた。電車を乗り継ぐ際に渋谷を通るのだが、そういえばらあめん英の支店が渋谷にもあったよな、と思い出し検索してみた。あるある、しかも駅から徒歩1分の場所に。これはやはり食べないわけにはいかないだろう。経堂の本店はかなりの頻度で足を運んだ私のお気に入り店である。調布や吉祥寺にもラーメン屋はたくさんあるが、これまでのところ博多ラーメンのおいしい店は見つかっていない。ああ、私が英のラーメンから遠ざかって幾星霜。体があの味を求めている。いざ行かん豚骨の大海原へ、いざ食らわんこってりバリカタ。

そんな感じで胸を高鳴らせてらあめん渋英ののれんをくぐる。カウンターのみのこじんまりとした店で午後2時前の客の入りは3名。カウンターは8席くらいなので、まあそんなものだろう。ラーメンと明太子ごはんを頼む。ほかにもメニューはいろいろあったが、まずは基本を攻める。こうみえて私は経堂の店によく行っていたのだ、なめてもらっては困る、本気で来い、と心の中で店員を威嚇する。店員からの攻撃をイメージしてカウンターの小さな椅子の上で体を左右にゆらして軽いシャドー。不審者である。

注文してすぐにらあめんと明太子ごはんが出てきた。ちょっと意外。今でもよく覚えているのだが、経堂の店ではカウンターに座った客が誰もラーメンを食べていなくて、その客に囲まれながら店主がじっくりじっくりラーメンを作っていて、客の誰もが軽く殺気を発しながら寸胴を眺めてお預けを食らっていて、というのが普通の光景だった。寒さに震えながら外で待たされ、ようやく店内に通されてもそこから軽く10分は待たされたと思う。それから考えると信じられないくらいの早さである。

まず私の目を引いたのは明太子である。君、ちょっと赤過ぎないか。なにか悪い薬でもやっているんじゃないか。赤13号とか黄色7号とか。それに若干水っぽい。全体に形状がだらしない。もっと背筋を伸ばさないと。脇役だからといってちょっと気を抜き過ぎじゃないか。

次、主役のラーメン。ラーメンはいたってシンプルである。チャーシュー、メンマ、ネギに麺が白濁したスープの中を泳いでいる。麺はかなりのボリュームである。スープをひとくち。ふむ、あっさりしている。おいしい。とんこつだが臭くない。ただ、なにかひとつ足りない気がする。トッピングにキャベツを頼んでおくべきだったかもしれない。あれにかかっている黒い液体がスープに混ざると実においしいのだ。

ストレートの細麺をすする。うむうむ。チャーシューを食らう。うむうむ。合間に明太子ごはん。うむ?れんげでスープ。うむうむ。麺、メンマ、スープ。うむうむ。ごはんとスープ。うーむ。このごはん、ちょっと水気が足りない。炊いてからかなり時間がたってるんじゃないか。

食べた。全体にうまくまとまっていると思う。思うんだけど、こっちがハードルを上げすぎたのか、全体にちょっとずつ満足度が低くなっているように思う。まとまってはいるけど物足りない。そこそこおいしい、という感じである。それに脇役の明太子ごはんが足を引っ張りすぎである。あれだったら頼まない方が良かったなあ。

駅から近いし、また行くかも知れないけど渋谷にはほかにもおいしい豚骨ラーメンがあるようなので、そちらを攻めた方が良いのかな。思い焦がれたラーメンとの再会はちょっとほろ苦かったとかなんとか。

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