それがそこにあるんだから

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大手小町の「小1の息子 やられたらやり返していいのか?」を読んだ。「(息子が)なんでやり返したらダメなの?と泣いて訴えてきました。大人の理論ではわかっていても何と言ったらいいのか自信が持てず」とあるように投稿者も自信がないのにずいぶん酷な要求を息子にしている。きちんと言葉にして説明できないことを子どもに押しつけたらかわいそうだ。

世の中には暴力というものが存在する。日常生活を送っていると忘れがちだけど、何かの拍子でむき出しの暴力に遭遇してしまうことがある。たとえば、この投稿者が食事にでかけて酔っ払いに絡まれたとする。人通りの少ないところで助けてくれそうな人がいない。相手は意味の分からないことを口にしていて彼女に暴力を振るう。そういう状況下に置かれたときに「やり返さない・相手にしない」という選択肢を取るだろうか。

男の子の世界では、中高生くらいまでは腕力のある人間が幅をきかせる。けんかを通して序列が決まるようなところもある。そこで他者との競争を投げ出すといじめの標的になりかねない。やられたらやりかえすは力の応酬だが、子ども相手に非暴力不服従なんか通じない。ガンジーじゃないんだから。朝日新聞デジタルの《いじめられている君へ》で安西水丸さんが自分の体験を語っているが、このケースのように理不尽な暴力を振るわれたらやり返せば良い。酔っ払いに襲われたケース同様、それは正当防衛である。

世の中には「子ども同士の小競り合いを通じてやってはいけない一線を身につけるんだ」というような主張を展開するマッチョな人もいるが、子どもは加減を知らないし、残酷だし、エスカレートするので、大人が介入しない限り、ほどよいところでやめるということはできない。大人が口や手を出すとすればそういう時だ。まあ、大人の世界にもいじめはあるので、あんまり偉そうにはできないけれど。

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