LLP設立で困ったことまとめ

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先日、北辞郎を運営する有限責任事業組合(LLP)を設立しました。手続き自体は個人でもできますが、いろいろ分からないことがありましたので参考までにまとめておきます。

LLPの設立については、詳しくまとめてあるサイトがたくさんありますので、それを見るのがいいと思います。こちらのサイトが分かりやすくおすすめです。

ただ、こういうサイトを見てもちょっと分からない点がいくつかあり、そこを間違えると書類を作り直したり、集め直したりする必要が生じてくるので注意が必要です。

設立の具体的な手順

順番としては、①組合の印鑑調達、②組合契約書の作成、③出資金の振込、④法務局への届け出になりますが、提出書類として組合員全員の印鑑証明が必要ですのでそれを集める時間も考えておかなければなりません。

というのも、組合契約書は契約の成立日から2週間以内に法務局に届けなければならないからです。②の組合契約書の作成前に、まずは印鑑証明を集めておいた方がいいでしょう。なお、組合員の中に海外在住の方がいらっしゃる場合は、在外公館が発行する署名証明を代わりに提出することができます

参考:在外公館における証明 | 外務省

また、組合契約書には組合員全員の実印を押す必要があります(署名証明を提出する組合員は署名でOK)。北辞郎のLLPのように組合員が国内各地と海外に散らばっている場合、契約書の原本2部(提出用と保管用)を全員のところへ順番に郵送し、それぞれ押印してもらわなければなりません。組合員の数が多いとかなり時間がかかりますし、全員分の押印が完了する時間が読めないので、契約書の日付欄は空けておき、最後に記入する方がいいでしょう。

注:契約書は左端をホチキスで綴じ、組合員全員が各ページの継ぎ目すべてに契印しなければなりません。 私はこれを忘れていましたが、窓口で泣きついたら私の実印を契印することで了承してもらえました。

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契約書が完成し、全員の押印(署名)が完了したら、出資金を振り込みます。振込先は代表者の個人口座でも構いませんが、あらかじめ任意団体名義でゆうちょ銀行などに口座を作っておいてもいいと思います。「任意団体+ゆうちょ銀行+口座」で検索すると参考サイトがたくさんあります。

参考:任意団体名義でゆうちょ銀行口座を作ってみた。

出資金を振り込む際は、いったん口座から全額を引き出して、それから出資金を振り込みます。その際、出資金はまとめて預け入れるかたちでOKです。私は組合員全員の名前が通帳に記載されている必要があると思い込んでいたのですが、法務局の方が「組合員から出資金を集めてまとめて振り込むこともありますから合計額があっていればそれで良いですよ」と言っていました。

出資金を入金したら、通帳の一番最初のページと出資金の入金が確認できるページをコピーしておきます。これは「払い込みがあったことを証する書面」として法務局に提出します。

なお、出資金の入金は、組合契約書の成立日以降にしなければなりません。私はここで躓いて入金をやりなおしたのですが、法務局によれば「契約成立より前に入金してしまうと、何のために振り込んだお金か分からないから」だそうです。なるほど、言われてみればその通りです。

おっと忘れていましたが、組合の印鑑は、組合の名称が決まったらまず最初に作っておきましょう。北辞郎のLLPではこちらの天丸2本セットをお願いしました。丸い代表者印と銀行などで使う四角い印の2本があれば事足ります。今回の手続きでは「代表者印」を使います。

さて、組合契約書ができ、印鑑証明がそろい、出資金の入金が完了すれば、あとは法務局に届けるだけです。

法務局に登記申請

先ほどのサイトにあるように有限責任事業組合契約効力発生登記申請書、登記申請書の別紙(CD-R)、払い込みがあったことを証する書面を作成します。

上記3つの書類は、こちらにひな型が用意されているのでありがたく使わせていただきます。ワードで作って印刷すればOKです。気をつけなければいけないのは、組合員や主たる事務所の住所の書式です。「●●町1-2-3」のように書いているとやり直しになります。印鑑証明に記載されている「●●町1丁目2番地3号」のような正確な住所表記にしないといけません(これは組合契約書も同様です)。

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登記申請書の2ページ目は収入印紙を貼る欄ですが、印紙を貼るのは最後まで待ちましょう。印紙は法務局で買いますが、なにしろ6万円です。書類に不備があったら困るので、窓口で提出書類の最終チェックをしてもらってから貼ります。登記申請書の1ページ目と2ページ目はホッチキスで綴じ、ページとページの間に代表者印で契印をします。

登記申請書の別紙のCD-Rは、「120mm、JIS X 0606 形式」が指定されていますが、そのへんで売っている音楽用CD-RでOKです。記録するテキストファイルの文字コードをシフトJISにし、余分なスペースを入れないようにします。このファイルに関しては、問題があったら法務局の方が訂正してくれます。

「払い込みがあったことを証する書面」は特に注意する点はないと思います。払込証明書を作成し、通帳のコピー2ページ分とともにホッチキスで綴じ、登記申請書と同様に契印をします。

さて、これで書類はすべて整いましたが、最後にもう一通作成する書類があります。LLPの代表者印も届け出る必要があるのです。印鑑届出書の用紙は法務局にありますので、窓口で言えばもらえます。分からないところは法務局の人が教えてくれます。私が会った窓口の人はみんな親切でした。

組合契約書、組合員全員の印鑑証明(または署名証明)、登記申請書、別紙CD-R、払い込みがあったことを証する書面、印鑑届出書を窓口に提出します。その場で法務局の人が簡単なチェックをしてくれます。問題がなければ受理され、内容が精査されます。内容確認の時間は4日間。その間、電話がなければOK、電話があったら修正のため法務局に出向きます(もちろん私は出向きました)。

全体の作業時間として2か月くらいみておいた方がいいと思います。なお、東京法務局には「登記電話相談室」があるので、分からないことがあれば電話で質問できます。私のように暑い中を法務局まで出かけていったのに書類に不備があって自宅と法務局を往復、みたいな目に遭いたくない方はご利用をおすすめします。

カテゴリー: Tips

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