救急車に乗って

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土曜日の午前2時頃、寒気で目が覚めた。足元に蹴飛ばしていたタオルケットを引き上げ体にかけるが、寒気は収まるどころかますます強くなる。体がブルブル震え始めたので、タンスからスウェットパンツとトレーナーを引っ張り出した。ああ、だめだ、視界がぐるんぐるんしてる。これはけっこうやばいんじゃないか。口の中もカラカラだ。

1階に降りて水を飲み、体温を測る。たかがこれだけのことにものすごく時間がかかっている。体温計を見ると39.9度、全身がしびれというか力が抜けるような感覚で覆われている。明日まで耐えられるか?ちょっと無理。車運転できる?ちょっと無理。妻に運転してもらって杏林の救急外来に行く?子どもたちまで連れて行かないといけなくなるのでそれも無理。救急車呼ぶ?そうしよう。

ということで119番。自分の状態と住所を告げて受話器を置く。妻を起こして自分の状態を説明し、留守番を頼む。財布とタオルと水筒、携帯なんかを玄関先にあったトートバッグに放り込み、自宅前の路上で救急車を待つ。もうろうもうろうああくるしい。しばらくして救急隊員到着。ストレッチャーに乗せてもらって車に運び込まれ状態を詳しく説明する。受け入れ先がなかなか見つからず車内で待機。口の中がカラカラでのどが痛い。持ってきた水を少し口に含む。15分くらいたっただろうか。ようやく行き先が決まって救急車が走り出す。行き先は慈恵第三病院。よく車で前を通るがお世話になるのは初めてだ。

ストレッチャーで救急外来に運び込まれ、そのまま医師2名に診てもらう。自分の名前、生年月日からはじまって体の状態について実にたくさんの質問をされる。できるかぎり答えたいが、熱のせいか頭が働かずなかなか答えられない。採血され、のどの粘膜を取られ、気が付いたら腕に点滴が刺さっていた。ブドウ糖だろうと見当がついたのでうれしかった。これやると元気になるよね、と熱にうかされながら喜ぶ。質問攻めが終わったなと思っていると、「タケウチさん、検査しますので尿を取りましょうか」と看護師の女性に言われる。え、今の私はとても動けませんが、まさか尿瓶ですか、やめてください、はずかしい、とか照れてると、点滴スタンドが運ばれてきてベッドから下ろされ、便所はあちらですと案内された。ぐわんぐわん回る頭でなんとか便所までたどり着き、紙コップに尿を取る。「紙コップ 飲んではいけない これは尿」と一句ひねって便所を後にした。たかが数歩歩いただけで息切れがひどい。このあとレントゲン室にも歩いて行った。歩けメロス。

検査の結果が出るまでベッドに移される。横になって目を閉じるが、体のあちこちが痛み、口は渇くし、咳をしたら肺が痛い、先週のジムの後から引きずっている筋肉痛まで痛みを増している気がした。それでもああでもないこうでもないと体勢をあれこれ変えているうちに寝てしまったようだ。次に目が覚めたときには、カーテンのすき間から日の光が差し込んでいた。体は汗だくである。トートバッグからタオルを出して汗を拭い、水筒の水を飲む。あ、少し楽になってる。きっと点滴のおかげだ。

しばらくすると医師2名が検査の結果を告げに来た。メンツが代わっていたので当直は交代したのかもしれない。検査の結果は、結論からいうとおそらく肺炎だがはっきりとは分からない、だった1。抗生物質と頓服を出すので、土日はそれで様子を見て、良くならなかったら月曜日に呼吸器外来に来るように指示される。医師に礼を言い、しばらくすると看護師が来て点滴を抜いてくれた。書類の入ったクリアファイルを渡され、会計する場所を教えてもらう。「ああ、だいぶ元気になりましたね」とほめてもらった。本当だ、まだふらふらするけど何となく力が入る。会計を済ませ(1万400円!)、夜間入口にタクシーを呼び、自宅に戻る。土日はずっとベッドの中にいて、自分でも驚くくらい寝た。

  1. 後日呼吸器内科で肺炎であることを確認。 []

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