このたび、長い間構想を温めていた「故事成語Wiki」を正式に公開しました。中国語学習者をはじめ、成語や中国の物語に興味のある方、言葉の由来を調べている方、いろんな方に楽しんでいただけるサイトを目指しています。
リンク:故事成語維基
そもそもなぜ故事成語なのか
私は、オンラインの中国語辞書「北辞郎」を20年以上運営してきました(メンバーのみなさま、ご利用のみなさま、いつもありがとうございます)。北辞郎には成語もたくさん登録されていて、意味や例文、出典が掲載されています。ただ、北辞郎は辞書ですので、言葉の意味を書くことはできますが、その成り立ちや言葉の由来、背景まで掲載すると、辞書の体裁が崩れ、まとまりがなくなってしまいます。
オンライン辞書ですので、こういう場合は詳しい説明が掲載されている外部のサイトへのリンクを張り、「詳細はこちらをご参照ください」というご案内を出してその場をしのぎます。
されど、しかれど、しかあれども、「扑朔迷离」という成語は、ディズニー映画にもなった花木蘭の詩に由来しますが、説明を加えているサイトや書籍がありません。成語自体は「雌雄の区別が付かない」から転じて「何が何だかさっぱりわからない」ことを意味します。なぜ「扑朔迷离」の4文字がそんな意味を持つのか、それこそ「何が何だかさっぱりわかりません」。
百度教育、成语词典、台湾の成語典あたりを検索すると詳しい解説が載っています。詳しく、そして長い。なんという説明の長さだ。誰かサクッとまとめてください。
されど、しかれど、周囲を見渡しても誰もいません。
瑤姫先生の登場
中年の孤独をかみしめながら、私は成語の由来を調べ、なぜこの4文字がこのような意味を持つのかを学び、整理しました。腑に落ちて気分爽快。早速どこかにまとめよう。そうだ。以前作ったWikiを使ってみよう。
……なんか違う。
調べた内容は過不足なく盛り込んであるし、読めば「扑朔迷离」のことは分かる。あーはいはい、なるほどなるほど。
分かりました。語り手(私)が悪いんです。挙動不審でうさんくさいというか信頼できないというか。
ということで、頼れる先生が読み聞かせをするように、故事や言葉の由来をまとめてくれる体裁を採用しました。先生役は、巫山神女こと「瑤姫」様にお願いしています。
先ほどの成語「扑朔迷离」はこちらをご覧ください。少し長いですが、先生のお人柄のおかげで読み切ることができると思います。人徳ですね。
文字だけはつらいので
こうして記事はできあがりました。文字が大量に並んでいて圧を感じます。故事は中国の古いお話なので、カタカナや英数字もあまり出てきません。一般的な文章より漢字が多くなります。
ですので、イラストをプラスすることにしました。私は絵心がないので、絵が得意な長女にお願いしようと打診したところ、高額請求を匂わされたため、ChatGPT氏に依頼することにしました。専用のGPTを作成し、あれやこれやと注文を並べ、最終的には中国の「白描」風の線画イラストに落ち着きました。
瑤姫先生と白描イラストのおかげでずいぶん読みやすくなったと思います。
これからも少しずつ
今後は、時間を見つけて少しずつ故事成語を追加していきたいと思います。項羽と劉邦、三国志などの歴史的エピソードを背景に持つ成語、中国の神話に関する故事成語では、いろんな人物が絡み、さまざまな物語が展開されます。成語の背景を知ることで、頭にもしっかりすり込まれますし、関係する人物や歴史上の出来事に対する解像度も上がると思います。
故事成語の登録については、リクエストも受け付けていますので、ぜひコメントにておしらせください。

