「予算」という日本語について

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国語辞典で「予算」という言葉を引くと、そこには「ある計画のために、あらかじめ必要な費用を見積もること。また、その金額」あるいは「一会計年度における歳入・歳出の見積もり」(大辞泉)とあります。この名詞としての「予算」を中国語に訳す場合、通常は「预算」が採用されます。『漢语外来词词典」(上海辞書出版社)によれば、日本語から中国語に逆輸入された言葉のようですので、両者の用法が同じなのは当たり前なのかもしれないですが、日本語の予算にはもうひとつ意味があります。

関連:汉语外来词词典 (豆瓣)

「今期予算必達」と言った場合の「予算」です。営業職の経験者なら「予算達成の重圧」、「今期予算は××億だ」という言い回しに馴染みがあると思いますが、この「予算」は「目標」を意味しています。この用法、日中辞典に収載されているのを目にしたことがありません。そのせいか「予算必達」を「必须达到预算」という風に処理している訳文を時々目にします。訳せているようで訳せていない、分かるような分からないような中国語になっていますね。翻訳した人も、なんかしっくりこないな、と首をひねりながら訳出したんじゃないかと思います。

上述したように、こういう場合は「予算」に訳語「目标」を充てるとしっくりくることが多いです。こちらの予算とはをご参照ください。年末年始のこの時期、企業トップの新年のあいさつなどを手がける機会が増えます。ふだんあまり目にしない表現も出てきますし、その企業内部でしか通用しないような言い回しに目眩を覚えることもあるかと思いますが、なんとかうまく躱して良い年をお迎えください。

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