「強」の簡体字はなぜ「强」なのか

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簡体字の「」という字を眺めているうちに、どうして虫の上に「ム」じゃなくて「口」が乗ってるんだろうという疑問がわいてきた。「強」という漢字は、台湾の繁体字でも「強」と書く。

康熙字典には「強」も収録されているが、「」はどちらかというとおまけ的扱いである。簡体字というのは書くのが難しい漢字を簡略化したもののはずだが、「」は「強」より画数が多い。どういうことなのだろう。

そこで少し検索してみたところ、百度知道に「“强”这个字为什么要简化,明明是繁体字写起来简单啊?」という同じような疑問を見つけた。回答をざっと眺めてみたがどうもすっきりしない。ここの回答で紹介されている第一批异体字整理表を眺めると、「彊」と「強」は「」の異体字とされている。ただ、根拠は書いていない。台湾の教育部異體字字典を見ると「強」は正字とされている。実にややこしい。

漢典で康熙字典の説明を読み比べると、「彊」「強」は別の2つの漢字だが、は「強」を参照しているようだ。

白川先生なら「この口は『くち』ではなく『サイ』である」とか解説しているに違いないと思って「常用字解」を開いてみたが、そんなことはどこにも書いてなくて次のような解説がなされていた。

弘と虫を組み合わせた形。弘は弓の弦をはずした形で、その弦が弓体の外に垂れている。弓の弦に虫を加えているのは、おそらくその弦が天蚕(括弧内省略)であることを示すものであろう。その弦が他のもので作った弦よりも強靱(括弧内省略)であることから「つよい」の意味となり、むりに努めるの意味となり、さらに、むりに「しいる(おしつける)、しいて」の意味となった。

うーむ、これでは「彊」と「強」と「」の関係がわからない。ちょっと手元の資料が尽きたので次に図書館に行くまでおあずけになりそうである。もやもやするなあ。

関連:漢字字体規範データベース

このエントリには続きがあります→「強」の簡体字はなぜ「强」なのか(2)

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